高い知能と社会性で、私たちの生活に密かに影響を与えるカラス。
翼を持った小さな知恵者たちは、知らない間に我々の街を支配していると言っても過言では有りません。
そんなカラスの驚くべき知能とコミュニケーション能力とはどんなものなのか?
そこで今回は【賢いカラスの生態】について解説していきたいと思います。
- カラスが賢い理由
- カラスの記憶力凄さ
- カラスのコミュニケーション方法
- カラスが使う道具と研究結果
- 人間とカラスが共存する方法
最後まで読む事で、カラスの圧倒的な賢さに心を奪われることでしょう。
カラスの知能が高い理由
カラスの知能が高い理由として
- 脳の構造
- 受け継がれる進化
順に解説していきましょう。
脳の構造と機能
カラスの知能が高い理由の一つに、脳の機能と構造が考えられます。
同じ鳥類と比較しても、カラスの脳はニワトリと比べると3倍の大きさがあり特に大脳の部分が圧倒的に大きいことが分かってます。
ちなみに【大脳】ってのは、運動・知覚・精神活動の中枢部分。
何かを感じたり考えたり、さらには行動したりするために重要な役割を果たす場所なんです。
それだけでなく、人間でいう大脳皮質にあたる部分も存在することが分かっています。
ちなみに【大脳皮質】ってのは、脳の表面のシワシワ部分の事で認知・記憶・行動に影響を与得る場所。
つまり自分の環境を理解し考え、最適な方法を考えて記憶することが出来るんです
進化の過程で獲得
カラスの知能が高い理由の一つに、進化の過程で獲得した事が考えられます。
文明が発達し変化を続ける都心や自然環境の中で、生活に適応するために柔軟で独創的な行動が出来なければ滅ぶしか道はありませんよ…。
その結果、カラスたちは高度な【問題解決能力】や【道具を使用する能力】を獲得していったと考えられています。
そして高い社会性とコミュニケーション能力を持つカラス達は、他のカラスが学んだ知識や技術を教えてもらうこともできるんです。
つまり自分が会得した知識や経験を親から子へ、子から孫へと受け継いでいくってこと。
人間社会でもある『おばあちゃんの知恵袋』みたいな感じで伝わっていくんです。
カラスの驚異的な記憶力
先ほども説明した通り、カラスには大脳皮質が存在し記憶力が優れていると言われています。
しょせん鳥でしょ?
って思ったアナタ!!
この章ではカラスの記憶力の良さについて解説していきましょう。
エサの場所を記憶する
カラスはエサを見つけた際、周辺の環境を観察し景色や臭いなどの情報を記憶していることが分かっています。
その理由として、カラスが一度に食べきれないエサを見つけた場合【貯食(ちょしょく)】と呼ばれるエサを隠す行動を起こすんです。
この貯食は決まった場所だけではなく数十ヶ所にも及びますが、隠したカラスは全ての場所を記憶!!
それだけではありませんよ!
腐りやすい食べ物から順に食べていき、他の群れのカラスにバレないように隠し場所を変えることだってあるんです。
ってかカラスって、私よりも賢いんじゃないかも…。
人の顔を記憶する
優れた記憶力を持つカラスは人間の顔も記憶することが分かっています。
その人間の目・鼻・口・耳といった特徴を見て記憶し、同じ人間であることを認識できるんです。
例えば、エサをくれた人に対して懐くような行動や(本当はやってはいけません!)意地悪をして人に仕返しをする行動などが確認されています。
ちなみに私が小学生の頃
学校の帰り道にいたカラスに対し、友人が石を投げて驚かせました。
ビックリしたカラスは、足を滑らせながらアタフタと飛び立っていったんです。
その姿を見て私たちは大爆笑!
しかし翌日、同じ道を通るとカラスが待ち伏せしていて私たちに飛びかかって来たんです!
それからというもの…。
その道にはカラスの数が増えてしまい、私たちは別の道を通って帰るしかカラスから逃げる術は無かったんです。
イジメた友人が悪いのですが、顔を覚えて仲間を連れて仕返しに来る習性があることを体感しましたね…。
カラスの社会性とコミュニケーション能力
カラスの知能の高さは分かりましたね?
この章では、その知能を活かしたコミュニケーション方法と社会性について解説していきましょう。
グループ行動
カラスは高い社会性を持ち、群れで行動し多くのメリットを得ることができます。
主なメリットは
- エサの確保
- 安全の確保
- 繁殖の確保
まず、群れで行動することにより食べ物の確保がしやすくなります。
後述しますが独自のコミュニケーション方法で仲間を呼んだり、エサの場所を伝達することで食料にありつける確率が上昇します。
次に外敵から身を守ることが容易になります。
カラスも捕食者では有りますが、さらに大型の猛禽類が相手となると流石に一対一では部が悪いんですよね。
群れで固まることで生存率を上げる事が可能になるんです。
最後に子孫を繁栄しやすくなるメリットも有ります。
群れで生活することでパートナーを得やすく子育てする場所を確保しやすいんです。
以上のような理由から、カラスは群れで行動する事により生存競争を生き抜いてきたんですね。
意思疎通の方法
上記のように群れで行動するには仲間との意思疎通が大事であり、カラスは様々な方法で仲間とコミュニケーションをとります。
主な方法は
- 鳴き声
- 体の動き
- 行動
カラスは鳴く回数によってメッセージを仲間に伝えることが可能。
例えば挨拶・警告・エサの場所を教えるといったこともできるんです。
また、鳴き声と同じように羽や首の動きで意思表示をすることもわかっています。
特に興味深いのはカラスの求愛行動。
繁殖期になるとメスにアピールするため、プレゼントや毛繕いなど様々な行動をとるんですよね。
これらのコミュニケーション方法を使い分け、仲間同士で情報を伝え合う事で高い社会性を発揮していると言えます。
その結果、様々な環境の変化にも対応できる集団へと成長したんですね。
カラスが道具を使う目的と研究
賢いカラスは様々な道具を使うことが知られています。
彼らの知能は人間にとっても興味深い問題で、多くの研究者たちの興味を集めている存在でもあるんですよね。
この章では、カラスが道具を使う理由と研究について解説します。
道具の種類と使用方法
カラスはその知能の高さから様々な道具を使うことが分かっています。
中にはテレビなんかで見たことがあるのではないでしょうか?
主な使用道具には
- 棒や枝
- 石などの硬いモノ
- 車のタイヤ
例えば、カラスのエサとなる食べ物が障害物に囲まれた狭い隙間にあったとします。
まずカラスは棒や枝を咥えて障害物を動かし、隙間にあるエサを取り出して確保することができました。
しかし、そのエサが固いからに守られ嘴で突いても割れない木の実だったら?
今度は、石を咥えて木の実にぶつけその衝撃で割ろうとするんです!
それを何度も何度も繰り返し、時には上空から石を落下させる姿も確認されています。
それでも割れない時はどうするの?
って思いますよね?
実は、賢いカラスは人間が発明した車を使うんです。
つまり、道路に木の実を置いて車のタイヤで轢かせて硬い殻を割る作戦ってこと!
それも適当に置くのではなく、ちゃんとタイヤが通る場所に設置するんですよね。
その後、安全なタイミングを見計らって中身を頂くことができるって訳。
こうした道具の使用は、カラスが状況に応じて適切な道具を選び効果的に使用する能力の証明と言えるでしょう。
問題解決能力の研究
カラスの問題解決能力の高さを証明するため、様々な実験が行われてきました。
その代表的な実験を、いくつか紹介します。
- 水筒を使った実験
-
狭い筒の中に水を入れ、水面にエサが浮いています。
しかし、カラスの嘴はエサには届きません!
では、どうすればエサを取れるのか?
エサを取る為、カラスは小石を筒の中に入れ中の水位を上げてエサを手に入れることに成功。
この結果から、カラスは物理的法則を理解し問題を解決する能力があることがわかりました。 - 針金を使った実験
-
狭い隙間にエサを置き、1本の針金をカラスに与えます。
しかし、そのままでは上手く引っかかりません!
では、どうすればエサを取れるのか?
上手く引っかからないと判断したカラスは、針金の先端をフック状に曲げて引っかかりやすく加工したんです。
この結果から、目的に合わせて道具を加工できることがわかりました。 - 複数の道具を使った実験
-
一つの隙間の奥にエサを、もう一つの隙間の手前に長い棒を設置します。
そしてカラスに短い棒を与えた場合、この短い棒ではエサには届きません!
では、どうすればエサを取れるのか?
短い棒ではエサに届かないと判断したカラスは、まず短い棒を使って長い棒を手に入れ長い棒を使ってエサを取り出したんです。
この結果、カラスは複数の道具を正しい順序で使用することがわかりました。
以上の結果から、カラスは非常に頭の良い生物であることが分かりますよね。
カラスと人間は共存できるのか
カラスと人間が共存していくためには、お互いの生活環境を尊重し適切な対策を講じることが重要です。
そのための方法をいくつか解説します。
食べ物の管理と距離感を大切に
カラスが人間の生活空間に侵入する原因は、簡単に食べ物が入手しやすいからです。
適切な距離感を保ち、カラスが人間に依存しないような状況を作る事が大切なんですよね。
特に被害が大きいのがカラスによるゴミ荒らしですので、ゴミの適切な管理や、屋外への食べ物の放置を避けるような努力が必要といえます。
また、カラスに対する餌付けや攻撃など過度な干渉を避けましょう。
環境と行動を理解する
確かに不気味な存在ではありますが、カラスに対する誤解や偏見を無くすことも大事。
カラスの知能や行動を理解して、同じ生き物として尊重する事で円滑な共存が出来ますから。
また、生態系の保護・維持に取り組む事も必要といえます。
個人では限界がありますが、緑地の保護などで自然な環境を守る事で都心部への侵入を防ぐ事に繋がるでしょう。
頭の良いカラスたちの社会性を理解し賢い共存を目指しましょう
今回は【頭がいいカラスの生態と社会性】について解説してきました。
カラスはその高い知能と適応能力で知られ、行動の背後には賢い生存戦略があることがわかります。
もう一度まとめると
- カラスは進化の過程で他の鳥類よりも優れた脳を獲得した
- 高い社会性をもち群れで行動することで生存率を上げる
- 驚異的な記憶力は人間を凌駕することも
- 道具を使いうことで問題を解決できる知能を持つ
- カラスに対して理解を深めれば共存は可能
私たちとカラスとの関係をより良いものにするためには、互いに尊重し合う姿勢が必要です。
賢いカラスの知能と行動を理解することで、彼らとの共存の道を見つけ出しましょう。
読んでいただき、ありがとうございました。
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