昭和の時代、ミツバチが主人公のアニメが大ヒットしました。
小さな体で一生懸命に蜜を集めて飛び回る姿は、健気で可愛くも見えてくるんですよね。
しかしミツバチは、可愛いだけでなく
賢くもあり、危険な存在でもあるんです!
そこで今回は【ミツバチの生態と危険性】について解説していきたいと思います。
ミツバチの生態を知る事で、彼らとの共存する術を学んでいきましょう。
- ミツバチの種類
- ミツバチの社会性
- ミツバチの生態
- ミツバチの危険性
日本に生息するミツバチの種類
ミツバチは世界中でも9種類しか存在せず、日本には2種類しかいません。
二ホンミツバチ
日本の在来種であり
全体的に茶色と黒っぽい体をしていています。
昔からスズメバチに狙われることがあるため、木の窪みなどの閉鎖的な空間に巣を造る傾向があります。
巣の規模は最大で2万匹ほどにしか成長せず、蜂蜜の採取量は少なめ。
野生で見かけるミツバチのほとんどは二ホンミツバチで、分蜂する時は全員が頭を上に向けて規則正しく並ぶのが特徴。
セイヨウミツバチ
効率よく蜂蜜を集めるために輸入された蜂で
ハッキリとした、黄色と黒の縞模様をしています。
二ホンミツバチと違い、木の枝などの解放された空間に巣を造る事が多いです。
巣の規模も4~5万匹ほどの大所帯となり、蜂蜜の採取量が多く養蜂には欠かせない存在と言えるでしょう。
養蜂場から逃げ出し野生化するケースもありますが、スズメバチに対抗する手段を持っていないため繁殖する事は難しいです。
分蜂する時は、全員がバラバラの方向に頭を向けるのが特徴。
ミツバチの社会性
ミツバチの巣は、役割分担が3つに徹底されています。
その構成は
- 女王蜂
- 働き蜂
- 雄蜂
それぞれに役割が決まっており、一つの巣を繁栄させているんです。
女王蜂
体長は2cmほどあり、他の蜂よりも2倍近い大きさを誇ります。
巣の中で、唯一卵を産む事ができるのは女王蜂だけ!
その数は1日で1000〜2000個ほど産みます。
王台(おうだい)と呼ばれる女王蜂専用の部屋で誕生し、最初に産まれた女王蜂は他の王台を食い破り中の女王候補である幼虫を殺します。
巣の中で女王蜂は一匹しか存在する事は出来ず、もし同時期に産まれた場合も女王同士で争う事に…。
働き蜂から分泌されるローヤルゼリーを食べて成長し、寿命は約7年ほど生存します。
働き蜂
体長は1.3cmほどで、受精卵から誕生。
全てメスで構成され、大きな巣になると最大数は5万匹ほどの大所帯となります。
ちなみに
メスですが卵を産む事は出来ません!
成虫になってからは、巣の掃除や幼虫の世話をし2週間ほどすると
- 巣の見張り
- 巣の防衛
- 花粉やミツ集め
仕事は非常に多く、毎日休みなく働き続ける事になります。
春から秋にかけての寿命は1〜2ヶ月ほどで、越冬期は半年ぐらい生きる事が可能。
オス蜂
体長は1.6cmほどで、未受精卵から誕生。
働き蜂とは違い
蜜や花粉を集める事はせず繁殖するためだけに産まれてきた存在!
他の女王を求めて毎日結婚飛行を行い、めでたくカップリングすれば交尾をします。
しかし、たった一度の交尾でオスは死んでしまうんですよね。
上手くカップリングしないオスはずっと巣で居候生活を続けます。
つまり、ヒモ生活…。
しかし繁殖期が終わり秋になると約に立たないオス蜂は、巣を追い出されて餓死する事に…。
『働かざる者、喰うべからず』って事ですね。
ミツバチの特徴的な習性
ここからは、ミツバチの特徴的な習性を解説していきます。
意外と知られていないミツバチの凄さとは?
越冬できて1年中が活動時期
他の蜂とは違い
寒い冬を集団で過ごし、1年中活動しているのが特徴!
働き蜂たちは、エサを求めて2〜3キロほどの距離を飛び回ります。
しかも、1日に十数回もエサ探しに出かけるんですよ。
一年間の行動パターンは
2月 | 【立春】を過ぎた頃から女王蜂は産卵開始 |
3~4月 | 花が咲き始め、働き蜂たちは蜜を集める季節 |
5月 | 新女王蜂のため、王台が盛んにつくられる |
6月 | 数がピークを迎え、分蜂が行われる |
7~8月 | 暑さに負けず、冬に備えてエサを蓄える |
9月 | 天敵【スズメバチ】が襲来しやすくなる |
10月 | 残ったオス蜂が追い出される |
11~1月 | 蓄えた蜂蜜を栄養源に冬を乗り切る |
寒い冬でも仮死状態にならず、仲間が体を寄せ合って乗り切るんですよね。
学習能力や知能が高い
1匹のミツバチが餌場を見つけると、巣に戻り他の仲間に餌場を教える事が可能。
その方法は
8の字ダンス!
ミツバチは太陽と巣の位置関係を把握していて、動き方で方向や距離を仲間に正確に伝える事ができるんです。
さらにミツバチは、巣から飛び立つ前にクルッと一回転してから出発します。
その理由は、周りの景色を覚えるため!
こうする事で、養蜂場など大量の巣があっても自分の巣に帰ってくる事が出来るんですよね。
人間社会へ様々な恩恵を与える
働き蜂たちは蜜を集めるため、花から花へと飛び回ります。
この時
体に付着した花粉を運ぶことで農作物への受粉の手助けしているんです!
普段、我々が口にする
- いちご
- トマト
- ナス
といった、多くの食材がミツバチによって実をつけているんです。
さらに重要なのが養蜂場のミツバチたち!
巣に蓄えられた蜂蜜は様々な料理やシロップに使われ、ローヤルゼリーは健康食品として有名。
疲労回復などの効果がありまからね。
それ以外に、巣の材料となる蜜ロウは化粧品やクレヨンなどの原料となるなど、我々の生活に欠かせない存在と言えるでしょう。
新しい女王蜂が産まれると分蜂する
新しい女王が生まれる直前、旧女王蜂は半分ほどの働き蜂を引き連れて巣を出ます。
これを分蜂(ぶんほう)または巣別れと言います!
一つの巣に女王は1匹しか存在する事はできないため、新しい女王蜂に巣を譲るって事ですね。
ミツバチの大軍が、団子状に固まっているのを見た事はありませんか?
この時は、新しく巣を作る場所を偵察隊が探している間に休んでいるだけの状態。
しかも、意外と開放的な場所で休んでいる事が多いんですよね。
なんだか不気味で恐怖に感じるかもしれませんが、分蜂中のミツバチが人を刺す事は滅多になく巣に適した場所が見つかれば移動します。
無暗に駆除せず、しばらく見守ってあげて下さい!
状況によって差がありますが、およそ数時間~数日には移動しているでしょう。
ただし、付近に巣が作りやすそうな場所があるなら対策はしておく事!
以前、私の会社にあるトラックのミラーに大量のミツバチが止まっていた事があります。
駆除しようかという話にもなったんですが、私が分蜂の事を話して皆を説得。
結局、そのトラックは動かさず見守った結果…。
翌日には居なくなっていました。
付近に巣を作られる事もありませんでしたよ!
刺すと死ぬ一撃必殺の毒針
ミツバチの毒針の先には、ギザギザの返しがついているため
一度刺すと抜けにくい仕組みになっています!
ところがミツバチは毒針をつなぐ筋肉が弱く、無理に引き抜こうとしてお腹からちぎれてしまい絶命してしまうんです。
しかし毒針は毒のうというタンクと繋がっていて、ちぎれた後もピクピク動き毒液を注入し続けるんです。
コレは体の小さなミツバチは簡単に不振りほどかれてしまうため、1度さすだけで毒液を最大限に活かすための特徴と言えるでしょう。
強敵スズメバチには蜂球で対抗
秋になるとエサを求めて天敵であるスズメバチに襲撃される事があります。
体格や力で劣るミツバチ達は、協力してスズメバチに対抗するんです。
その方法は
蜂球(ほうきゅう)と呼ばれる必殺技!
発熱蜂球とも呼ばれ、1匹のスズメバチを集団で包み込み羽を震わせて熱を発生させる仕組み。
包みこまれた中心温度は、なんと46℃に到達しスズメバチを蒸し焼きにしてしまいます!
しかし蜂球が使えるのは在来種であるニホンミツバチのみで、外来種であるセイヨウミツバチは使えません。
はるか昔からスズメバチと戦ってきた二ホンミツバチならではの必殺技なんですよ。
ミツバチの危険性
小さな体で可愛い見た目をしていますが、やはり危険性という面も持ち合わせています。
ミツバチの性格
ミツバチは大人しい性格で、こちらから刺激しなければ刺してくる事はありません。
しかし
巣の存続のためには命懸けで戦う習性があります!
直接、巣に刺激を与えなくても農薬や伐採の音に反応し興奮する事もあるので注意が必要。
二ホンミツバチよりもセイヨウミツバチの方が気性が荒い特徴があります。
もしも刺されたらどうなる?
先ほども言った通り、ミツバチは一度しか刺せませんが体がちぎれても毒を注入し続けます。
さらに
1匹が興奮すると体からフェロモンを分泌し、他の仲間も連動して興奮する事になるんです!
このため、ミツバチからの一斉攻撃を受ける事になり、大量の毒液を注入されると命に関わる危険性があります。
家に巣をつくられたらどうなる?
ミツバチは閉鎖空間を好むため、家屋に巣を造る場合は天井裏や床下に作る傾向があります。
こういった場所は人目につきにくく、気が付いた時には巣の規模が大きくなっているケースが多いんですよね。
規模が大きいという事は、中には大量の蜂蜜が溜め込まれているという事。
となると
溜まった蜂蜜が溢れだし、木材へ染み込む事で腐食させてしまうんです!
大規模な修繕やリフォームが必要となり、その費用は数十万~百万円クラスの出費となってしまうでしょう…。
さらに蜂蜜の甘い匂いに誘われて、アリやゴキブリといった害虫たちを呼び寄せてしまう事になります。
駆除するならプロにお任せ!
建物内に巣を造られてしまったら、被害が拡大する前に駆除する必要があります。
巣の規模が小さい時は自力でも駆除は可能です。
自分で蜂の巣を駆除する方法は下の記事に詳しく解説しています↓↓↓
しかし、ミツバチは見つけにくい場所に巣を造りやすいため発見した時には手遅れのケースがほとんど…。
となると、自分で駆除するのは危険性が高く
プロの蜂駆除業者に依頼しましょう!
徹底した現地調査を行う事で巣の位置を特定し、速やかに駆除してくれます。
さらに溢れた蜂蜜の処理や再発防止策までやってくれるため、任せるだけでアナタの負担は何もありませんから。
また調査の結果、ミツバチの巣が複数見つかるケースも多いんですよ!
心配な方は依頼する事により、この先はミツバチの被害に悩まされる事は無くなるでしょう。
コメント