日常生活において、ハエの存在は非常に鬱陶しいもの。特に食事中やキッチン周辺を飛び回られると、衛生面でも悪影響を与えてしまいます。だからといって殺虫剤を振り撒くのも状況的に嫌でしょう。そんな時、蚊取り線香を使って退治しようとしていませんか?実は蚊取り線香は蚊に対しては非常に効果的ですが、ハエに対してはあまり効果が期待できないんです。その理由とは何なのか?この記事では、なぜハエに蚊取り線香が効果がないのかについて解説します。
蚊取り線香の仕組み
蚊取り線香の基本情報
蚊取り線香は1890年に誕生した、蚊を駆除するために使用される製品。主な成分はピレスロイド系の化学物質や天然成分である防虫菊のエキスが含まれています。発売当初は棒状の線香でしたが、燃焼時間の短さや火災などのトラブルが多かったそう。そして改良が加えられ渦巻き状へと形を変えました。点火すると外側から内側へ向かって燃え進み、その燃焼時間は7時間程度と高い持続性を実現したんです。現在では専用ホルダーも付属し、灰の飛び散りや安全性も高くなりました。
蚊取り線香の目的
蚊取り線香は、蚊による刺咬を防ぐこと。蚊に刺されることで引き起こされる痒みや不快感だけでなく、蚊が媒介するデング熱や日本脳炎、マラリアなどの感染症のリスクも減らすことが目的なんです。煙に含まれる成分には蚊を遠ざける、蚊を駆除する、といった効果があり特に快適な睡眠時間を過ごすためには欠かせないアイテムとなっています。また、キャンプやバーベキューなんかでも活躍しますよね。
ハエと蚊の違い
蚊取り線香が蚊には効果があるのにハエには効果が薄いことにはいくつかの理由が存在します。この章では、生物学的な蚊とハエの違いについて解説します。
嗅覚と受容体の違い
蚊は特定の化学物質に対して非常に敏感な嗅覚受容体を持っています。これには蚊取り線香に含まれるピレスロイド系の成分も含まれ、蚊の神経系に作用し麻痺させやすいんですよね。一方、ハエも嗅覚受容体を持っていますが、蚊とは少し違います。ハエの嗅覚受容体は、腐敗した有機物や食べ物などを敏感に感じ取る器官であり、蚊取り線香の成分に対してはあまり敏感ではないんです。
生理的反応の違い
蚊はピレスロイド系の成分に対して強い反応を示し、少量でも効果的に麻痺させることが可能。一方、ハエはピレスロイド系の成分耐性を持ちやすく、同じ濃度の成分ではあまり効果が得られないんですよね。つまり、大量の成分を投入しなければ麻痺しにくいってこと。
環境への適応の違い
蚊は飛行速度が遅く止まっている時間も多いため、蚊取り線香の煙を浴びる時間も長くなりやすいんです。一方、ハエは飛行速度が速く飛び回っている時間も多いため、蚊取り線香の煙を浴びにくいんです。さらに繁殖スピードの速さから、殺虫成分への耐性を持つ個体も現れやすいんですよね。
ハエに特化した線香も存在する!
キンチョーから発売されているハエ用の蚊取り線香「金鳥の渦巻き ハエにも効く太巻き」その成分や効果はどんなものなのか?
太巻きの特徴
名前の通り通常の蚊取り線香よりも太く作られており、その断面積は約2倍!その結果、広範囲に渡って素早く有効成分を拡散されることができ、屋外や広い場所での使用にも適している蚊取り線香なんです。
太巻きの有効成分
太巻きに使用される有効成分はトランスフルトリンというピレスロイド系の殺虫成分で、これが蚊とハエの両方に対して強力な殺虫、忌避効果を発揮します。使用方法も通常の蚊取り線香と同じで、外側からの点火で燃焼時間は約7時間。
使用時の注意点
殺虫成分が通常版よりも濃度が高いことが特徴であり、主にガーデニングやアウトドアでの使用が最適です。このため、風通しの良い場所での使用が推奨されていて、閉め切った部屋での長時間使用は避けるようにしてください。
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